【月イチ文庫】8月「『罪と罰』を読まない」岸本佐知子 三浦しをん 吉田篤弘 吉田浩美

9月も下旬になってしまいました。いやー今年の夏は本当にしんどかったです・・・。涼しくなった途端に風邪も引いて、下書きしてたこの記事もずーっとほったらかしでした。

 

そんな中、8月は何とか一冊読みました。

「『罪と罰』を読まない」岸本佐知子 三浦しをん 吉田篤弘  吉田浩美

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本屋でタイトルが目をかすめ、二度見しましたね。「罪と罰を読・・・まない」?!手に取らずにはいられません。しかも著者がこのメンツで、「ドストエフスキーの『罪と罰』を読まずに語る読書会」ときたら、面白そうすぎて買いました。

 

因みに私のドストエフスキー罪と罰』に関するスタンスはどのようなものがといいますと、「大島弓子の漫画で読んだなぁ」ぐらい。なんとなく登場人物が脳内で大島弓子の絵柄で再生される。大筋はぼ〜〜んやりと覚えている・・・とも言い難いぐらいにストーリーに関する記憶は曖昧です。

 

読む前は、この4人による妄想版『罪と罰』がさぞ面白いんだろうなと思っていたのですが、意外と後半の実際に『罪と罰』を読んだ後の章が面白かった!ツッコミのボキャブラリーがさすがに豊富で楽しい。ストーリーを推理するくだりは正直途中から少し飽きてしまったのですが、後半は笑いながらあっという間に読んでしまった。

 

・・・ってことはつまり『罪と罰』が面白いんですよね。面白いんでしょうけども・・・やっぱり今から読もうって気にはちょっとなれなかったなぁ。もし、何かの間違いで読むことがあったら、またこの本も読み返したい。

 

 

 

 

 

 

NARSのブラッシュ何番買うか問題

思い出したように化粧品の話。

 

私、この度なぜかNARSのブラッシュというものを試してみたくなって、日がな一日NARSのサイトを眺めたり、口コミサイト見たりしてどの色を選ぶべきかを熟考しとりました。(街に出る気はない)

 

手始めにメルカリで品番4013、いわゆるORGASMシリーズ(有名且つ超人気らしい)のサンプルを手に入れて使ってみた。

 

このサンプルってやつが、もう本当に紙に薄ーーーーく粉が載せてある程度で、正直この10倍くらいないと試せた気が全くしないのでは、っちゅう代物だったのですが、その貴重なブツをひと粒たりとも無駄にせぬようブラシに含ませてほっぺにのせてみました。

 

が、しかーし、よくわからーん!私の肌色ではあまり発色しないので、血色の足しにはあまりなっていない。が、なんか良い気がする・・・。たしかになんか良い気がする・・・。これがNARSなの?ORGASMなの?

 

幻のように儚い粉でしたが、よく分かんないから余計使ってみたい!という気が湧いて、もう完全に手のひらで転がされてる。(因みに肌が荒れたり痒くなったりもなかったのでパッチテスト的にも合格)

 

そこから一体どの色を選べば私の顔面に血色感は足しつつ「ああ、NARSのブラッシュよいわー」になるのかを吟味に吟味を重ねました。だってね!どうせ買うならそう思いたいんですよ「ああ、NARSのブラッシュ買ってよかったー」って。

 

2013って色は公式では「ゴールドシマーが煌くピーチピンク」と表現されていて、なるほど、多分このゴールドシマーが私の「色はつかないけど良いっぽい」の要因だろう。それを念頭に置いて選んでみよう。

 

ざっと見た感じ候補に残ったのは

4017 ゴールドシマーが煌くウォームコーラル(ピンクすぎるかも?)

4018 ゴールドシマーが輝くソフトなローズトーン(赤すぎるかも?)

4020 ゴールドシマーが煌くつややかなオレンジ (濃すぎるかも?)

 

 

で、ほとんど4017に決めかけていたのですが、そこで私の脳内に「ちょっと待ったーー!」がかかり(ねるとん。古)

4029 シアーゴールデンアプリコット

が、「お願いしまっす!」と手を差し出してきた。たしかに前の3人も決め手に欠けてはいたので、ゴールドシマーは煌めいてないけど、シアーでゴールデンなアプリコットに興味が出てついに4029をポチりました。

 

どうかねー?

まだね、届いてないんですよ。どうかね?この勝負、、吉と出るか凶と出るか。

 

あ、今、気づいたんだけれど、ゴールドシマーは「シマー」でシアーゴールデンは「シアー」なんですね。ミスったか。どういう違いなんだろ・・・。 

  


 

料理ノート(仮)やめました

今年に入ってから着々と続けていた料理ノートですが、6月いっぱいで一旦やめました。

 

坂口恭平さんのcookを読んで真似をして、夕ご飯の写真を撮ってスクラップしてコメントを添えていたのですが。

その頃に自分の中でモヤモヤとしていたことが、割と片付いてしまったことや

iPhoneで撮る写真があまりきれいでないことで「もういいかなー」となってしまいました。

 

今は単なる記録として、夫婦で共有してるスケジュールアプリに画像をあげるのに留めてます。作業としても中々大変だったので。

 

新しい料理に挑戦するモチベーションを無理にあげようとするのもやめました。

 

美味しいものを食べたいという自然な欲がある時は勘も冴えて美味しい料理ができるし、そうでない時はそこそこのものを作ったり、お惣菜を買ってきたりしてテキトウにやってます。

 

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半年分のご飯の記録、月光荘のスケッチブック3冊分。

 

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坂口恭平さんのcookは写真もきれいでお料理も美味しそうな素敵な本です

 

【月イチ文庫】6月『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』藤本和子

月イチ文庫、久しぶりになってしまいました。とうとう5月は無理でしたね。そして7月も無理だったことを先に書いときます・・・。

 

6月の一冊は、『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』藤本和子です。

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岩波現代文庫で、この素っ気ないカバーデザイン・・・。そして値段も980円(税抜)。ビミョーにハードルが高い。それでもこの本から放たれる何かに引きつけられてしまい、買いました。

 少し前に実家から藤本和子リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』の文庫本を持ってきていたので、目に入ったというのもあるとは思う。

 

しかし、読み終えるのにものすごく時間がかかってしまった。それはこの本が読みにくいとか難解だということでは全くなくて、生活の中でこの本に向き合う時間を作ることが中々できなかったのです。バタバタした中でサクサクと読み進められる本ではなかった。結局は7月も半ばを過ぎてやっと色々落ち着いたので、4分の3を1日で読みました。

 

私はこの本の感想を書けるような言葉を全く持ち合わせてないことにがっかりしつつも、この本と出会えてよかったと心から思う。とてもシンプルだけれど凛としていて何かが立ち上ってくるような文章に胸を打たれた。

 

その何かを今の私が何とか言葉にするなら、それは「気高さ」とかなのかな。登場する女性たちの困難な状況でサバイブするパワーにも圧倒されるけれど、もっと印象に残るのはその精神性の高さ。自分たちの人生を語る言葉の豊かさ、的確さ。

 

見えているものだけで捉えないその感性は、今の私にとっても大切なヒントが沢山あると思った。

 

 

この本に出会えたのもこの【月イチ文庫】をやっていたからなので(早速「月イチ」ではなくなってるけど)できる限り続けていきたいと思っている次第です。

 

 

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久しぶりにイヤリング作った

少し前に髪をショートにしたので、イヤリングしたい熱が高まってる。

 

夏っぽいものをあまり持っていないので、以前買ったAVRILの糸と有り合わせのパーツで作ってみた。

 

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しずくフープ型のパーツを糸で編みくるんだだけ。

 

もうひとつ、作りかけたやつは「ポップな毛虫」みたいになったので途中でやめた。写真撮っとけばよかった。

 

新しい材料を買わずにこの夏使えるアクセサリーをまた作りたい。

 

『新聞記者』観た!観て!

巷で話題の映画『新聞記者』観てきました。

静岡では公開館数が極端に少ないので、名古屋滞在中にイオンシネマで観ることに。連日の外出や何やらで疲れていたけれど、結果、観て良かった!!と声を大にして言いたい作品でした。

 

shimbunkisha.jp

 

youtu.be

 

私は主演が松坂桃李だということ以外、予告も見ずほとんど前情報なしで観ましたが、それがまたよかったです。ので、迷っている人はこれを読まず観に行ってほしい。私のような政治に疎く、難しいことは分からない人でも楽しめるように出来ています。最初は聞き慣れない言葉たちに「??」となるのですが、そこも分かってくる。

 

政治に疎いけれども、今や疎いとか分からないとか無関心ではちょっと居られないぞというのを感覚的にわかっている人なら観た方がよいかと思う。単純にサスペンスとしてとても面白い作品でもあります。

 

 

なにせ前情報なしで観たので、私がまず目を奪われたのは「この女優さん、誰?!」ということでした。恥ずかしながら知りませんで、「見たことない人だけれど、凄い!」と思いながら観ていたのです。エンドロールで観て韓国の方だとわかり、何か腑に落ちました。イ・ランさんに続き、やはり日本人にはちょっとない感情表現の方向性を感じました。シム・ウンギョンさんの演技、圧倒的でした。他の作品も観てみたい。

 

あとね、私、男闘呼組が大好きだったんですよね。中学生の時コンサート行ってました。だからね・・・神崎さんがね・・・高橋和也が(昔‘一也’でしたよね・・・?)・・・(とても良い役者さんになられましたね・・・)あんなことに・・・ほんとに胸が痛かった。

 

印象に残っているのは、松坂桃李演じる杉原の働く政治の世界と妊娠した妻の居る家庭の世界があまりにもかけ離れていたこと。杉原は仕事のことは何ひとつ妻に話さず、妻も何も聞かず、仕事ばかりの夫を責めることもない。杉原は結局、家庭を人質に取られるような形で自分の信念も殺す(のか?)・・・という異常な構造。

 この映画は政治ドラマで杉原が官僚なので特殊な人たちのお話にも見えるけれど、これに近い形の家庭ってゴロゴロ転がってるんじゃないかと思う。夫は家庭を守る為に地獄みたいな職場で仕事をする、妻には何も言わない、妻も何も聞かない。

「これで、本当にいいんですか?」・・・だよね。

 

緊張感の切れない展開であっという間の約2時間なんですが、ラストシーンは本当に凄かった。ラストカットからエンドロールに切り替わった時の劇場の静まりかえった空気は忘れ難い。水を打ったようとはあのこと。

 

あのふたりはあの後どうなるんだろう。どうなっていくんだろう・・・と考えることは、この現実で私が目の前で起こっている事をしっかり見て自分の頭で考えること。やれることをやること。

 

みんなが薄々「ヤバくない?いや、でもまぁ、大丈夫かな?」と騙し騙し見ないふりをしているところを「ほんとに大丈夫?ヤバいんじゃないの?ちゃんと考えよう」と意識を覚ましてくれる作品だと思います。

 

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↑関係ありませんが、私の愛するココナッツヌードル。

2019.7.5【イ・ラン&柴田聡子ライブ@大阪旧桜ノ宮公会堂】観た

7月に入ってからしばらく実家のある名古屋に滞在して、どこかに行ったり色々食べたり何かを観たりしとりました。その期間のことを幾つかは書きたいと思います。

 

7月5日(金)大阪旧桜ノ宮公会堂でのイ・ラン&柴田聡子ライブに行ってきました!

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イ・ランさんのアルバムを聴いてその楽曲や韓国語の響きの美しさに感動し、ライブをいつか観たいと思っていたタイミングでした。この日なら名古屋から車で大阪に行けるじゃないか!と半ばottoを強引に誘っての参加。

 

桜ノ宮公会堂という場所は結婚式場でもあるらしく、歴史を感じさせる素敵な建物でした。着いた頃には中庭で焼肉やビュッフェを楽しむ方々も。チケットドリンクにワインもあってシックなよい雰囲気。座って観られるのが嬉しい。立ち見の方々も居たので、前の方の席に座ることができて本当に良かった。

 

最初は柴田聡子さんとイ・ランさんのソロライブを休憩挟まずに交互にやっていくスタイルで、イ・ランさんが「私たちは気にしないのでトイレに行きたい人は行ってください」と2回くらい言ってた。たしか柴田聡子さんの先攻で始まり、どんどんふたりの世界観に引き込まれていった。

 

初めて観るイ・ランさんのライブが本当にすばらしくて・・・。まずは声がすっごく良い!よく通る透き通った声なんだけど、芯があって伸びやかな凛とした声。その声と同じく佇まいがまた、めちゃくちゃ素敵でした。シャープでクールな雰囲気なのに、おしゃべりがとてもチャーミング。文章そのままの感じ。MCもすごく面白くて、トークショーがあったらぜひ聞きたいし、日本のラジオにもぜひ出て欲しいな。

 

歌詞は韓国語なので日本語訳がステージ上のスクリーンに映し出されるのもとてもよい演出だと思った。ブックレットの歌詞を読むのともまた少し違って、リアルタイムでこういう内容を歌っているんだなと感じると浸透度がグッとあがる。哲学的で個人的でもあり社会的でもある歌詞の世界が面白かった。

 

音楽的なパートナーっぽいチェロのイ・ヘジさんとの信頼関係が伝わってきて、それもすごく良かった。彼女がまたすごく素敵で。チェロも素晴らしいし、その存在感に釘付けになってしまった。かっこいい。

 

思ったのは、ああ私を含めて日本人って幼いなって。それが悪いとか反省とかいうことではなくって、ただ違いとして。後で読んだインタビューでイ・ランさんが「韓国では大人の女性に‘かわいい’とは言わないので、日本でかわいいと言われた時戸惑った」ということを言っていてなるほどと思った。

 

イ・ランさんの音楽を通じて私は韓国に俄然興味が湧いてきている。強引に誘ったottoもすごく感銘を受けていた。柴田聡子さんの面白さやイ・ランさんやイ・ヘジさんの存在感に感じるものがあったみたい。一緒に行けてよかった。

 

イ・ランさんの音楽や佇まいには美しさや可愛さや悲しみや憤りや怒りや優しさが全部滲み出てた。そこがすごく魅力的だった。私たちも、もっと悲しんだり怒ったり優しくしたり堂々としていいんだ。

 

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↑名作。

 

↑今回のライブ会場で買った。味わい深い絵と文章。すき。