植本一子『かなわない』を読んだ

こないだ図書館で借りた植本一子さん『かなわない』

かなわない

中々のボリュームの本なのだけれど、読み終えた。昨日ottoが急な飲み会で遅かったので、夜の時間を存分に使って読み進められた。

 

まずは、一子さん(親しみを込めて勝手に呼ばせていただく)の文体が好きだった。彼女の日記部分の文章はですます調とである調が入り混じっていて。

 

私は文章を書くとき、どうもどちらかに統一しないといけないという先入観があるのだけれど、統一してしまうとどうも自分の心情と一致しない。なので、このブログも基本はである調に統一してるんだけど、たまに敢えてですます調を混ぜたりして、あまりしっくりきてない。

 

彼女の日記は文体が混在してるけど、それでいいんだーって感じがしてなんか勇気でる。大げさだけど。

 

そして内容については、配偶者がそこそこ有名人な女性がここまでリアルタイムで出来事や心情を晒していることに驚いた。

 

正直なところ、下世話な好奇心を満たすような面白さもある。でも、あまりに切実でかなりキツい。キツいのだけれど、何か適当な客観性があって、それが「この人もあの人も、もがいて生きてるんだな」と、自分だけではないという安堵も感じた。

 

ottoが夜中の1時を過ぎても2時を過ぎても3時を過ぎても帰ってこない中で読むと妙な臨場感もあり・・・。私もまた、こういう状況の時苛立つ自分の感情を持て余すので。

 

後半に「自分を好きじゃないことが問題の根源」だと辿り着いた彼女がこの後どうやって自分に家族に向き合っていくのか、著書を辿りたい。

 

何せ夫のECDさんは既に亡くなっているわけで・・・辛いけど、私の直感はここに大事なものがあると告げている。

 

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この日はグリーンカレー