マームとジプシーの『CITY』観に行きました。
以前『cocoon』を観て度肝を抜かれて以来、またマームとジプシーの作品を観たいと思っていたけれど中々叶わず。今回、豊橋でのチケットが何とか手に入った。
はじまって暫くはまた思考がついていかない独特の感覚に陥る。やっぱり舞台上で行われている事がサーカスみたいに目まぐるしくて凄すぎるし、時間軸や空間がシャッフルされる展開に、一体何にフォーカスしてよいのか分からなくなって戸惑う。
でもだんだんその中から輪郭が浮かび上がってくる。その輪郭を掴めているのかも・・・正直よく分かってない。なんでこの手法なのか、まだ全然分からない。演劇ってほとんど観たことがないくて、演劇的なセリフまわしにもまだ慣れない。
けど、「凄いものを観ている」って感覚が忘れられない。
上演後、主宰の藤田氏のトークショーがあった。「高級品を作っている感覚です」という言葉が印象に残った。それは本当に伝わっています!と思う。すごく贅沢な時間。5000円やそこらでこんな素晴らしいものが観られるって凄い。この作品を構築するのにかかる時間や労力、検討もつかないけれど・・・。
衣装もかっこよくて、まるでファッションショーみたいでもあった。「音楽が今回ヒップホップが多くて、並べるとオラオラ感があって笑ってしまう」とも。確かにかなり男性的なモチーフでした。
私自身「ヒーロー」というモチーフにまったくピンとこない。そのピンとこなさ感がこの作品の印象ともかぶっているのかもしれない。
でも微かに、私からするとどーでもいいMAXに思えてしまうヒーロー性に囚われる男性も確かに大変そうだというのは感じ取った(ぼんやり)。
そしてポキっと折れそうな腕で可憐な声で、舞台の上だけに生きてるみたいな青柳いづみさんの存在感にどうしても惹かれる。彼女が主演の作品を観たい。
S席だけど2階席だったので、もう少し俳優さんの表情を観たかった。ライブだとあまり思わないけれど、お芝居はやはり顔を観たいものなんだな。
また、マームとジプシー観たい。ついていけてるかは分からないけど、贅沢で豊かな時間をまた味わいたい。