【月イチ文庫】6月『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』藤本和子

月イチ文庫、久しぶりになってしまいました。とうとう5月は無理でしたね。そして7月も無理だったことを先に書いときます・・・。

 

6月の一冊は、『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』藤本和子です。

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岩波現代文庫で、この素っ気ないカバーデザイン・・・。そして値段も980円(税抜)。ビミョーにハードルが高い。それでもこの本から放たれる何かに引きつけられてしまい、買いました。

 少し前に実家から藤本和子リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』の文庫本を持ってきていたので、目に入ったというのもあるとは思う。

 

しかし、読み終えるのにものすごく時間がかかってしまった。それはこの本が読みにくいとか難解だということでは全くなくて、生活の中でこの本に向き合う時間を作ることが中々できなかったのです。バタバタした中でサクサクと読み進められる本ではなかった。結局は7月も半ばを過ぎてやっと色々落ち着いたので、4分の3を1日で読みました。

 

私はこの本の感想を書けるような言葉を全く持ち合わせてないことにがっかりしつつも、この本と出会えてよかったと心から思う。とてもシンプルだけれど凛としていて何かが立ち上ってくるような文章に胸を打たれた。

 

その何かを今の私が何とか言葉にするなら、それは「気高さ」とかなのかな。登場する女性たちの困難な状況でサバイブするパワーにも圧倒されるけれど、もっと印象に残るのはその精神性の高さ。自分たちの人生を語る言葉の豊かさ、的確さ。

 

見えているものだけで捉えないその感性は、今の私にとっても大切なヒントが沢山あると思った。

 

 

この本に出会えたのもこの【月イチ文庫】をやっていたからなので(早速「月イチ」ではなくなってるけど)できる限り続けていきたいと思っている次第です。

 

 

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