『勝手にふるえてろ』のヨシカが愛おしい

先日つらつら雑記を書いた中で映画『勝手にふるえてろ』を再度観た話を書いたのですが、私はてっきり以前この映画に対する感想を書いた記事をあげたつもりでいました。

よく見るとまだ下書きにあったので、今更感は満載ですがあげておきます↓↓↓

 

 

公開当時、「新しい女の子映画!」とか「松岡茉優さん、最高!」とかで話題になってた『勝手にふるえてろ』をDVDで観た。

furuetero-movie.com

 

youtu.be

 

※若干のネタバレ気味です↓

 

 

 

3分の1くらい泣いてた。ともかく、ヨシカが愛おしくて愛おしくて、全ての画面でぎゅーっと抱きしめたい。

 

松岡茉優さんが演じるヨシカが、今まであまり見たことないヒロイン。とても絶妙なバランスのキャラクターで、まぁ、イタいわ可愛らしいわ面白いわ、たまらん。松岡茉優さん、素晴らしすぎる。

 

このこじらせ気味でいわゆるオタク気質の若い女子をこのぐらいのバランスで描くのって、結構至難の技だと思う。独自の世界観を持ってるけど、普通にオシャレもするし、仕事も堅実にこなすし、でも他者とのコミュニケーションが得意でないし恋愛も苦手・・・って、めちゃくちゃ普通!普通すぎるぐらい普通の女性だと思うんだけど(普通ってなんだというのはとりあえず置いといて)。そんな彼女を、笑うでなく馬鹿にするでなく愛おしく見守りながらも、ちゃんと痛い目にも合わせる。それが松岡茉優さん演じるヨシカだから、ポップかつリアルっていう奇跡の塩梅が成り立ってる。

 

中盤、とある現実に直面してヨシカが自宅の玄関で号泣するシーンの表情、すごかった。アラフォーのおばちゃんから見たらね、まぁ、そんなこともあるわな。そーんなにこの世の終わりみたく思うこともない。可能性は全然あるじゃんって思うんだけど。あの表情見たら、ただただ一緒に泣いちゃうことしかできん。

 

世の中との関わり方だって、ヨシカさん、20代の設定でしょ?もう、ぜーんぜん、まだまだ大丈夫。私なんてもっと酷かったし、今でもうまく関われないこと、よくあるある!そして、「なんでこんなに、うまく出来ないんだろう?自分じゃなければ、もっと上手に色んな人と関われるんじゃないか。自分、ダメだー」って気持ちに打ちのめされる。

 

関わってみたい、興味ある人は沢山いるけど、どう関わっていいのかわかんない・・・って、あるよねー!お店の可愛い店員さんとか、気になりすぎるよねー!町で見かけるあの人この人、どんな人か知りたいよねー!でも関わるの、コワイよね。わかるよ。

 

ヨシカはその後、ちゃんと小さな一歩を踏み出してるのが、よかったなぁ。自分の妄想ほどに面白いことも起きないけど、何かがほんのちょっと変わる。

 

最後に「二」がヨシカに語ることが、あまりに真っ当で。意外にもこいつはこれまで一生懸命、いろんな人とぶつかってきたんだなぁって分かるセリフ。これ、私が二十代だったら「わかるけど、わかりたくない!私は傷ついたんだ!その気持ちはどーしてくれるんだ?!」って突っぱねてしまったかも、、、だなぁ。ヨシカはここで「二」を受け入れられるだけ、素直だなぁ。えらい。

 

自分の妄想の世界から出ても、きっとヨシカは楽しい世界を拓いていくことができる。そこでヨシカが感じる色々なことに思いを馳せちゃう。

それにしても!ヨシカのひとり暮らしぶりが、あまりに楽しそうで懐かしくもありグッときてしまった。ともかく始終、ヨシカっていう若干こじらせてる風だけどいたって普通な女の子に対して、優しい目線が感じられて大好きな作品でした。