『新聞記者』観た!観て!

巷で話題の映画『新聞記者』観てきました。

静岡では公開館数が極端に少ないので、名古屋滞在中にイオンシネマで観ることに。連日の外出や何やらで疲れていたけれど、結果、観て良かった!!と声を大にして言いたい作品でした。

 

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私は主演が松坂桃李だということ以外、予告も見ずほとんど前情報なしで観ましたが、それがまたよかったです。ので、迷っている人はこれを読まず観に行ってほしい。私のような政治に疎く、難しいことは分からない人でも楽しめるように出来ています。最初は聞き慣れない言葉たちに「??」となるのですが、そこも分かってくる。

 

政治に疎いけれども、今や疎いとか分からないとか無関心ではちょっと居られないぞというのを感覚的にわかっている人なら観た方がよいかと思う。単純にサスペンスとしてとても面白い作品でもあります。

 

 

なにせ前情報なしで観たので、私がまず目を奪われたのは「この女優さん、誰?!」ということでした。恥ずかしながら知りませんで、「見たことない人だけれど、凄い!」と思いながら観ていたのです。エンドロールで観て韓国の方だとわかり、何か腑に落ちました。イ・ランさんに続き、やはり日本人にはちょっとない感情表現の方向性を感じました。シム・ウンギョンさんの演技、圧倒的でした。他の作品も観てみたい。

 

あとね、私、男闘呼組が大好きだったんですよね。中学生の時コンサート行ってました。だからね・・・神崎さんがね・・・高橋和也が(昔‘一也’でしたよね・・・?)・・・(とても良い役者さんになられましたね・・・)あんなことに・・・ほんとに胸が痛かった。

 

印象に残っているのは、松坂桃李演じる杉原の働く政治の世界と妊娠した妻の居る家庭の世界があまりにもかけ離れていたこと。杉原は仕事のことは何ひとつ妻に話さず、妻も何も聞かず、仕事ばかりの夫を責めることもない。杉原は結局、家庭を人質に取られるような形で自分の信念も殺す(のか?)・・・という異常な構造。

 この映画は政治ドラマで杉原が官僚なので特殊な人たちのお話にも見えるけれど、これに近い形の家庭ってゴロゴロ転がってるんじゃないかと思う。夫は家庭を守る為に地獄みたいな職場で仕事をする、妻には何も言わない、妻も何も聞かない。

「これで、本当にいいんですか?」・・・だよね。

 

緊張感の切れない展開であっという間の約2時間なんですが、ラストシーンは本当に凄かった。ラストカットからエンドロールに切り替わった時の劇場の静まりかえった空気は忘れ難い。水を打ったようとはあのこと。

 

あのふたりはあの後どうなるんだろう。どうなっていくんだろう・・・と考えることは、この現実で私が目の前で起こっている事をしっかり見て自分の頭で考えること。やれることをやること。

 

みんなが薄々「ヤバくない?いや、でもまぁ、大丈夫かな?」と騙し騙し見ないふりをしているところを「ほんとに大丈夫?ヤバいんじゃないの?ちゃんと考えよう」と意識を覚ましてくれる作品だと思います。

 

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↑関係ありませんが、私の愛するココナッツヌードル。