【月イチ文庫】4月『こちらあみ子』今村夏子

4月の月イチ文庫は

『こちらあみ子』今村夏子

です。 

 

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 書店でタイトルに惹かれて手に取りました。「あみ子」っていい名前だなと思って。

解説を町田康さんと穂村弘さんが書かれていて、購入を決めました。

 

その後、たまたま聴いたある番組のラジオクラウドで言及されていたりして、評価の高い作品なのだと知りました。

 

私はといえば、読んでいて妙にどきどきした。あみ子がどういう子なのか、次に何をするつもりなのか心配してるのか期待してるのかよく分からない感情で。

 

個人的には、大好きな映画『ウルトラミラクルラブストーリー』を観ている感じとちょっと近い。

 

でも、あみ子はもっと生々しいというか、昭和な自分の子供時代の記憶の中にも居るような子で。

 

これからも、たまにあみ子に会いたくて読み返したくなると思う。

 

『ピクニック』もとても好きでした。七瀬さん、元気だといいな。

 

 

 

【イ・ラン】さんの佇まいに惹かれる

最高・・・↓

 

youtu.be

なんてチャーミングな対話。噛み合ってないようで探り探りのような中から何ともいえない空気感が生まれてる。ずっと観ていたいような楽しいセッション。

 

イ・ランさんの『悲しくて かっこいい人』を買って、ちびちびと読み進めている(サクサク読むのは何か勿体無くて)のだけれど・・・。

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いくつかの動画を観て、イ・ランさんの佇まいと美しい歌声にもすごく惹かれてしまった。ずっと気にはなっていたので、思わずポチる。

 「神様ごっこ」と「ランナウェイ」

 

 

届くの楽しみ・・・。

 

【iHerb】買った物の感想ー2019年5月ー

すごく久しぶりにiherbの記事。

今回はこんな感じのものを購入↓ 

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Willard Waterから右回りに・・・

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購入2回目。これを化粧水に入れてともかく全身バシャバシャ浴びてますが、トラブルが少なくなったように思う。化粧水に入れるだけだと一生持つのでは・・・ってぐらい減らないので、風呂にも適当に入れてて、それもなんとなく良い気がする。

 

 

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よく見るとそんなに可愛く無いのに購買意欲を掻き立てるアナグマのパッケージでお馴染みのバジャーバーム。最近、髪のパサつきが気になるので買ってみました。ゼラニウムがよい匂い。つけ忘れることが多くてまだ効果のほどはよくわかりません・・・。

 

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私、蚊(に刺されるの)が本当に嫌いなんです(好きな人はそんなに居ないと思いますが)。蚊が嫌がる香りといえばシトロネラ。けっこうしっかり長い間香ります。頼むからこの香りを嫌ってくれ、蚊。部屋に入ってくれるな、頼む。

 

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ジンジャー味の・・・なんだろこれ?グミではないし。ネチョネチョして甘くて生姜味ががっつりくるお菓子(美味しそうじゃない)。個包装の袋にくっつきまくって開けにくいのが玉にキズですが、すごく美味しいです。生姜好きにはオススメできる一品。

 

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ピーナッツバターが好きで好きで食べ過ぎるので一時自粛してました。が、お年頃もあってそんなに沢山は食べられなくなったので、そっと解禁にしました。これなら甘過ぎず、甘みが無さすぎて砂糖かけちゃうこともなく、満足できます。お料理にも使えます。

 

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何となく買ってみました。こういうの、当たり外れが激しいと思うのですが、これは思ったよりもクセもなくて、ちょっと物足りないぐらいでした。スパイシーだけど辛過ぎることもなくマイルドで割とあっさり、酸味のあるペースト。こないだチリコンカンに少し入れたら美味しかった。

 

・・・以上です!

 

 

クーポンコード BLB162

よかったらお使いくださーい。

 

2019.4.26.名古屋 柴田聡子ライブ

柴田聡子さんのLiveに行ってきた!

ずっとLiveを観てみたいミュージシャンのひとりだったので、やっとタイミングが合って嬉しかった。

 

会場は名古屋の得三。得三といえば、ご飯を食べつつ飲みつつゆったりLiveが観られる素敵なライブハウス!会場に着いたら・・・

 

オールスタンディングかいっ。

 

そういうことも、あるのね。よく通ってた頃に観たライブは全て着席で飲み食いしながら観てたから、てっきり全公演そうなのだと思い込んでた。

四十路の腰にはツライけども、仕方ない。Live観客の平均年齢も上がっている(たぶん)昨今、もっと座って観られるハコ増えてくれたらほんと嬉しい(←これ多分スタンディングのライブに行った後これからも毎回言う)。何歳になってもLive行きたい。

 

柴田聡子さんのLiveは初めてだったのだけれど、まずは音がもんのすごく良かった。

 

音が良いとはどういうことか、が私には文章化できないんだけど。特に、柴田聡子さんの弾くギターの音が最高に好きすぎて、ご飯何杯でもイケそうなほどだった。

 

テレキャスターって、あんなに最高な音するんですか。私のうちの片隅にあるのも、19才の時に島村楽器でキャッシュ(現金)で12万で買ったテレキャスターなんですけど、あんなにチャカチャカした素敵な音を鳴らせたことありません。

 

音が気持ちよくてもうずーっと聴いていられると思えた。何もかもがちょうど良くて、嫌な音が全くなかった。

 

タイトな演奏&聡子さんに歌われるあの複雑で奇妙でそれでいてキュートで切ないなくねくねメロディが、今まで体験したことのない唯一無二のグルーヴを生み出していて、予想以上に踊らされてしまった。

 

すごく独特だった。それは聡子さんがアコギだけ弾きながら歌っていてもたしかに有る、渦巻いてる吹き出してる何か。

 

 

ドラムもベースもコーラスもすごく良くてバンドも弾き語りもどちらも素晴らしかった。

Liveを観てから柴田聡子さんの曲がより好きになった。メロディがぐっと近くなった。あの空間で音が鳴ってた感じが忘れられない。

 

『がんばれメロディ』ってアルバムはもしかして物凄い傑作なのでは、って思いはじめてる。

 

 

物販のトートバッグ、デザインが可愛いから買うつもりでいたんだけど、実物が思ったより大きくて・・・。やめとこうかと思いつつ、Live後にやっぱり買っちゃった。ラミ子さんとの販促茶番劇にほだされたわけではないけど(笑)。あと、ラミ子さんて何者なんだ。

 

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ベージュ道をひた走る四十路女

去年、パーソナルカラー診断を受けて以来、

 

inuhoshi.hatenablog.com

 

劇的に選ぶ服が変わった。いや、正確には選ぶ服の色が変わった。

 

要約すると「あなたのラッキーカラーはともかくベージュ系です」という診断結果に当初は

ビーン・・・(昭和)

だったのだけれど(ベージュの服をほとんど買ったことがなかった)今や自分でも笑えるほどにベージュを積極的に選んでいる。

 

それはやはり、鏡で見た時の顔映りが断然よいから。診断結果にものすごく納得している。

 

濃い色のリップを塗ると古臭くなるし、

 

大好きだったピンクのギンガムチェックのスプリングコートを着ていると「あっ、それレインコートじゃないのね?」と言われる。(要するに浮いてたのね)

 

柔らかい色を着ている方が自分的にもしっくりくるようになってきた。

 

 

しかし。ベージュってのはですよ、プレーンなデザインだともうただの裸というか、ただの「無」に思えてしまうんですよ。実際はそんなことないと思うけど、私の感覚的に、ベージュ=肌色=裸、という図式が・・・。

 

なので、ベージュを選ぶ時にはデザインにひとひねりあるとか形がキレイだとか、何か色以外にフックを求めることになる。

 

そういうのを探すのが難しくも意外と楽しい。

好きな服の色展開になかなかベージュが無いのだけれど、無いだけに見つけた時は嬉しい。

 

こないだ買ったワイドパンツもはっきりしたグリーンとベージュの2色展開で、以前なら「なに、このみどりみどりした緑?!可愛い!」ってそっちを選んでたと思う。しかし今や「このデザインでベージュなのは偉い!」と迷うことなくベージュを選択。

 

結果、ものすごく気に入っていて「このパンツがあればこの春夏は乗り切れる」とすら思っている。

 

しかし今度は全身ベージュの色的に真っ裸なコーディネイトにならないよう気をつけないとな・・・。

 

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マットなゴールドのネックレスをするといいとのことで、買ったやつ↑

 

 

【月イチ文庫】3月『献灯使』多和田葉子

もう4月も下旬ですが、3月の月イチ文庫(書店の店頭で気になった文庫を買って読むシリーズ)。

最近、本を読むという習慣と本を買うという行為が復活したので、読みたい本が渋滞している(のでこの記事も遅くなった)。

今回選んだのは多和田葉子さんの『献灯使』。

 

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もともと多和田葉子さんは好きで、「ヒナギクのお茶の場合」「球形時間」など読んでいた。独特すぎる唯一無二の文体で、文字を読むときにしか発生し得ない何とも不思議な読書体験ができる作家さんと思っていたけれど、かなり久しぶりに著作を手に取った。

 

「世界が認めたデストピア文学の傑作」と帯にあって、多和田葉子さんの描くデストピアってどんな?!読みたい!と思ったのだ。

表紙も何だか不穏だし、そんなに楽しい話ではないんだろうなと思いつつも惹かれた。

 

案の定、すいすいと読み進められるタイプの小説ではなくて、少しずつ読んだ。フィクションなのだけれど、どきり、ずしり、とくる。もしかしてこんな未来があるかもしれない・・・という妙なリアリティがあった。

 

まさにディストピア

私はディストピアの中でも真摯に生きようとする物語に惹かれてしまう傾向があって(ピクサー作品なら断然『ウォーリー』が好き)、この作品でも登場人物が絶望しているようで時折見せるキラっと光る何かがとてもよかった。

 

 

『夫婦ってなんだ?』面倒くさいけど挑戦しがいのあるプロジェクト

トミヤマユキコさんの新刊『夫婦ってなんだ?』を読んだ。 

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色んなカタチの夫婦が出てくる。実在の夫婦、映画や漫画や小説の中の夫婦、ご自分のパートナーとのお話。夫婦を「メッタ斬る!!」と帯にあったけれど、あくまでポップに色んな夫婦が語られている。

 

しかし、よその夫婦の話はなかなか参考になりそうで、ならない。人の数だけ宇宙があるというけれど、その宇宙×宇宙の組み合わせが当たり前だけれどその組み合わせの数だけあるわけで、自分たちの宇宙の面倒は自分たちでみなくてはならない。

私もこのところ自分たち「夫婦」について考えていた。面倒くさいけどやり甲斐あるプロジェクト「夫婦」についての私の話を書いておく。

(長くなった・・・)

 

* * * * *

 

今年に入って料理ノート(仮)つくり始めた。それは、料理を作るのがとても億劫で、家事に行き詰まっていたから。自分の料理や家事への気の持ちようだと思っていた。

inuhoshi.hatenablog.com

でも、それは違った。

ノートの2冊目も終わりかけた頃、とどのつまり「夫婦」についても行き詰まっていたってことに気づいたのだった。

 

うちのottoは仕事が忙しい。現在、平たくいうとそこそこブラックな働き方をしている。私はアルバイト勤務のため、家事は結婚当初から私の担当だった。

 

夫は一人暮らし経験がほとんどなく、私は一人暮らしも長く、料理も家事も当たり前にする。そして、家に滞在する時間があまりにも違う為、気づけば家事の95%は私が担当していた。

 

今年に入って、私は「なんか、まずい」と思い始めた。何がまずいのかよく分からなかったけれど、何か新しい取っ掛かりを・・・と思って坂口恭平さんの「cook」の真似っこした料理ノートを作り始めた。

 

しかし3ヶ月くらいやってみて「これはこれで楽しい。良い。しかし、何かがますますヤバい。このままでは私がいつか、詰む。」と思った。

 

その頃の気分が、今読むとこの日記あたりににじみ出ている。

inuhoshi.hatenablog.com

 

なんかずっと体調がいまいち優れない。気持ちが前向きにならない。

 

そうこうするうち、#KuTooという運動を知ったり、アトロクの「韓国文学特集」で取り上げられていた『 82年生まれ、キム・ジヨン 』を読む中、自分が何にモヤモヤしているのかがわかってきた。

 

そのモヤモヤの核にあるのは

「私が日々行なっている家事という仕事をottoが透明化していることが辛い」だった。

 

家事を私がやることが当たり前になり過ぎていて、家事は「私だけの仕事」なっている上にottoは家事を「仕事」だとは思っていない様子。感謝はしてくれるけど、なんか違う・・・。こんなはずじゃなかった、と。

 

それに気づいても、まずは怒りが先行してしまってottoの言動に苛立ちを覚え、感情的に怒りのみをぶつけてしまうことが多かった。イライラはより強くなった。

 

ottoは付き合い始めの頃、私が怒りを見せると反射的にだんまりになり貝のように閉じこもり、そこからはコミュニケーション不可能になっていた。でもこの数年間、お互い辛抱強くそこから踏み出して、冷静に気持ちを伝え合う訓練をしてきたという土台はあった。

 

どちらかだけが悪いということは、ない。これまでちゃんと話し合ってすらこなかった結果なんだ。このままではお互いがキツい。

 

私の最近の気持ちを伝え

「家事をふたりの仕事と捉えて、やれることはやってほしい」と言ったら

「気持ちはわかったよ」「何をやればいいのか言ってくれればやる」と返ってきた。

 

うーん、なんか違うんだよなぁと思いながら、伝わった部分と伝わってない部分があることを私はひとまず受け止めた。

 

そんな中、とある出来事があって「私のやっとる家事って仕事をナメとるんかコラ?!」と怒り心頭してしまった。翌日になっても気持ちが収まらなかったので、少し冷静になろうとひとりで街にレイトショーを観に行くことにした。

 

その際、やっておいて欲しいことを具体的に箇条書きにしてメモ紙を何枚も置いて出かけた。なるべく具体的に書くことを心がけた。

 

帰ったら、書いたことは全部やってあって、ottoは私のメモ書きの内容をまとめて一枚の紙に箇条書きにして壁に貼り

「これからは、なるべくこれをやるよ」と言った。

 

「続かないだろうな」と思ったけれど、几帳面に紙に書き写された文字を見て少し私の心もゆるんだ。

 

 

そんなことがあって数日後。

私はとうとう風邪を引いた。中途半端に辛い症状で高熱は出ないが地味に長引きそうな風邪。確実に原因のひとつはストレス。寝込んで動けない程ではないけれど、生理痛やら花粉症も重なりまぁまぁの辛さだった。

 

ottoは休日になると「おれに任せとけ」とか言って大抵の家事をやってくれた。といっても、私が横からやり方をレクチャーしながらだ。洗濯物ひとつでも「それじゃー乾かないでしょ」というトンチキな干し方をするので目が離せない。

 

夕飯も1日はお惣菜を買って済ませたが、翌日は私が教えつつ煮込み料理を完成させていた。ottoの性質からいって、料理がどうしても向いてない人だとは思えなかったので、やれば普通にできるのだ。

 

買い物行って料理して食卓を準備して片付けて・・・一通りやり終わると、ひと仕事やり終えた感満々である。というか、ぐったりしていた。大仕事であることを体で理解したらしい。

「大変だ・・・」としみじみ言っている。よい傾向だ。

 

 

 翌日、仕事から帰ってきたottoは「今日は疲れたから先に寝させて。後片付けは、悪いけど任せていい?」とひとこと。

 

そう、

そのひとことが自然に出ることを私は求めていたんだよ。嬉しかった。

 

少し何かが変わった気がした。

これ以来、ottoは仕事のある日でも食事の準備、片付けも自分の仕事として認識している様子で、風呂を洗ったり入れたりもするようになった。無理な時は「よろしく」と言って先に寝る。

 

こうやって書いていると、あまりに当たり前のことすぎて今まで何だったのだと愕然としなくもない。

 

「どうしたいのか」を置いてきぼりにして、「やるのが当然」という思い込みで自分を追い詰めてしまっていた。そのことにすら気づかず、やり過ごしてしまった結果だ。

 あきらめてしまっていたのだ。

 

これからは、あきらめない。

相手とたたかうんじゃなくて、自分の中の「あきらめ」の気持ちとちゃんと向き合う。あきらめていると、伝えることすらしないか、伝え方が攻撃的になって余計にこじれる。

 

私はふたりのオリジナルな生活(宇宙)をお互い協力して気持ちよく楽しく作っていきたい。そう思っていたはずだったし、今も思ってる。

「こんなはずじゃなかった」と思えたから軌道修正できた。

 

ottoがもとから家事をやろうとしてくれる人なら、そりゃ良かった。けど、そうじゃなくても、 縁があって一緒にいたくて結婚したひとだ。ちゃんとコミュニケーションを取れば、なんとかなる。

 

 

いわゆるフェミニズムという動きが世の中にあることはわかっていたけれど、今回まずは#KuTooに触れることで「そっか、これを“変えよう”って言っていいんだ」ということを知った。そして、これって女性差別なんだわってことも。あまりにも内面化しすぎていて、自分があきらめていることにすら気づかなかった。それぐらい、根深い。初めて自分の問題として捉えるようになった。

 

より良い世の中にしたいな、は常に思っていること。何がそれを妨げているのかを知ることは大切だ。

 

今の私にまずできるのは、この最小単位の社会である「夫婦」をあきらめないことだなって思ってる。